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■ 客観的に自分の漫画を見たときには、どういう特徴があると思いますか?
自分の漫画には、「生活がある」と思う。あと、「アジア人である」ってこと。それはもう絶対に忘れちゃいかん、って言うか。もっと浅ましいまでの生活感、決してきれいな部屋に住んでいない人たち、そういうのがいいなーと思っているの。
あと自分の漫画は、一応少女漫画のコマ割りにはしないようにしてる。きちんとコマをとって、誰がしゃべってるか吹き出しもきっちりこう、喋ってる人の方向に向けて出して。男の人が読んでも分かるように、ある程度年齢が低い人が読んでも分かるように、漫画読みなれてない人も分かるようにって、それだけ最低限やっています。
でもそれをやると今度は、少女漫画しか読んだことない人へのアピール度が低いのよ。色々会社によってコマ割りの方法が違うんだけど、集英社には集英社のコマ割りがあって。こう巻き込むような、誰が何を喋ってるのか分からなくて、モノローグがいっぱい出てくる。それはもう少女漫画読んでる人には全然平気なんだけど、読んだことない人には誰が喋ってるのか分からない。でもその代わり分かる人にはものすごいグルーヴ感があるから、作品世界にグッと取り込む力があるんだけど、私はそれをやらないから取り込む力は弱いと思う。
あと、やっぱり表現方法には気をつける。人を傷つけない言葉を選ぶっていうのがあるのよ。[2001年]11月号詩礼(しいれ)が、変なお客さんに応対するシーンがあるんだけど、おじさんはお下げかつらをかぶっているサラリーマンなんだ。ぱっと見て笑えて気持ち悪くて、傷つかない画は何かって考えたら、あれしかなかったの。最初ネームでは「嫌な客」でやってたんだけど、その時はもう自分の偏見丸出しで、ヤクザだったりオタクのお兄ちゃんだったり、浮浪者だったり。それはもしかして誰かが傷つくかもしれない。画的に見て可笑しいは可笑しいんだけど、あまりにも紋きり調はちょっとどうかなってずっと考えてて。たぶん自分でもまだ気づかずに傷つけてることが多いかもしれないけど、なるべく人を傷つけない方法で、あと変ないじめみたいにならないように描いていく。でも考えても考えても取りこぼしっていうのはあると思うし、全員が全員傷つかないなんてないけどね。
■ 自分の漫画の主人公やストーリー設定の情報源や、その組み立て方は?
キャラクターが動く画が見えるの。ぼーって出てくるの。例えば今描いてる主人公、綾(あや)っていうんだけど、綾の言動がボンボンボンって浮かんでくるのね。なんか月に1回、友だちを見ているみたい。キャラクターの行動原理に沿って描けば、勝手に事件は起こるし、勝手にセリフは出てくるし、見せ場はこれだって分かる。連中が勝手に動いてるから、楽は楽。エピソードには事欠かない。
ただそれを、順序だてて組み立てていくのがすごく大変で、ここで最初の方にこれを言わせちゃうと、後で意味が分からないな、とか、複線の張り方も色々あるから、そこで一番悩んでいる感じ。頭使う…ぐったり、げっそり(笑)。かつページ数におさめて、編集さんの意向も入れるっていうのは、結構大変。だけど、そういう風にした方が、読んでる人が楽しくなるのは間違いないから、自分だけの裁量ではやってはいけないと思っています。それはやらなきゃいけない苦労だと。
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